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Tokyo Prom Queen——Episode63 「プロ厶の日 Part2」 最後の警告 7月8日 7月7日 part2 線路沿いの細い路地を抜け、逃げ続けるトオル。 しきりに後ろを気にしていた。 プロム会場には、華やかに装った人々が続々と集まってきていた。 シンジとマリも、人波の中楽しげに話しながら会場へ向かっている。 「よぉ!」すでに会場前にいたタケシが2人に声をかけた。 「ガーンとかまそうぜ!」シンジが挨拶がわりに軽く拳を上げる。 「おう!」 タケシもそれに応えると、シンジの隣に寄り添うマリに気がついた。 その美しい装いを見て 「おっ、今年のプロムクイーンはマリに決まりかな?」からかうタケシ。 「馬子にも衣装って言いたいんでしょ!」マリが切り返すと 「そういうわけじゃないって」 3人で笑い合った。 「サキは?」「あぁ...」 どうやらサキはまだ来ていないようだ。 「中入ってるよ」シンジが言うと、 「後でね」マリも続いた。 タケシは入り口で少し遅れているサキを待つ。 華やかな姿で賑わう会場内。 プロムクイーンとキングの投票も始まっている。 受付にはコサージュを着けたショウコが立っていた。 「ショウコ先生!今日はよろしくお願いします」 取材で入ってきたテレビクルーがショウコに挨拶する。 「よろしくお願いします」 ショウコも愛想よく迎えた。 その頃ユウは、携帯を片手に会場に向かって歩いていた。 入り口でサキを待っているタケシ。 と、携帯の着信があった。 サキからの連絡だろうと笑顔でチェックするタケシ。 しかし一瞬で表情が曇る。 それはプロムゴーストからの不気味な予告メールだったのだ。 『今晩プロムパーティーは血で染まる prom ghost』 白いシャツ姿で歩くユウ。頑丈そうなアタッシュケースを手に持っている。 タケシは血なまぐさい内容のメールに動揺を隠せない。 そこへ鮮やかな黄色いドレスに身を包んだサキが笑顔で現われた。 タケシの姿を見つけると、小走りに駆け寄る。 「ごめんね!遅れちゃって」 笑顔を作ろうとするタケシだったが、うまく笑えない。 タケシの様子に気づいたサキは 「どうしたの?」と問いかけた。 「あ、いや...おぉ~、サキ綺麗じゃん!!」 あらためてドレス姿のサキをながめ、ようやく微笑むタケシ。 「ありがと」 サキも嬉しそうに笑った。 アタッシュケースを持ったユウがだんだんと近づいてくる。 その銀色に光るアタッシュケースは... Tags: tokyo prom queen promqueen プロ厶の日 Part2 最後の警告 プロムナイト 東京プロムクイーン Webドラマ shigekiii HJ ハジケル・ジャクソン |
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Tokyo Prom Queen——Episode73 「プロ厶の日 Part12」 紅に染まるプロ厶 7月18日 7月7日 part12 心配そうにショウコをみつめるレナ。 ショウコから身体を離し、振り向いたコウイチは レナの顔をじっと見据える。 コウイチの鋭い視線に射抜かれて身動きできないレナ。 コウイチは黙ってじっとレナを見つめている。 そしてふたたび、ゆっくりとナイフを持ち上げた。 恐怖に慄くレナ。 --白いドレスのフラッシュバック。血塗られたプロムクイーンの目がカッと見開いて-- コウイチの目も同時に大きく見開いた。 レナの目を見ながら、コウイチは自らの喉にナイフを突きつける。 瞬間、レナの顔に血しぶきが飛んだ。 (今宵、プロムクイーンは血まみれになるのさ) コウイチの言葉通り、みるみるうちに血に染まるレナ...それもコウイチ自身の血で。 呆然とするレナは身動きひとつできない。 パニックになる観衆。泣き叫び、震える女性たち... ケイも信じられない表情だ。 ミッチーはあまりの無残さにステージを直視できず、思わず目をそらす。 サキはタケシの肩にすがりつき震えていた。 タケシ、ユウも愕然としている。 マリとミッシェルはステージをみつめて震えている。 トオルは腕を押さえながら成り行きを見守り、シンジも呆然と立ち尽くした。 ステージに横たわって身動きしないショウコ。 血まみれになり虚ろな表情を浮かべるレナ。 悲鳴と怒号と泣き声が響き渡って... コウイチはプロムクイーンを華やかに照らすはずのスポットライトを浴びていた。 自らナイフを突き立ててできた首からの血だまりに仰向けに倒れている。 その姿をテレビクルーは捉え続けていた。 「ハンプティダンプティ」のメロディが繰り返しこだまする。 『Humpty Dumpty sat on a wall. ...couldn't put Humpty together again.』 ハンプティダンプティ塀から落ちて...誰もハンプティを元に戻せなかった。 Tags: tokyo prom queen promqueen プロ厶の日 Part12 紅に染まるプロ厶 プロムナイト 東京プロムクイーン Webドラマ shigekiii HJ ハジケル・ジャクソン |
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Tokyo Prom Queen——Episode66 「プロ厶の日 Part5」 二度目の疑い 7月11日 7月7日 part5 アタッシュケースを開けて冷たい微笑みを浮かべるユウ。 一方大歓声でステージを終えたシンジたち。 タケシも満足そうな表情だが、演奏中にユウがどこへ向かったのかが気になっていた。 余韻に浸る間もなくベースを肩から外すと、ステージから下り駆け出していく。 追われていたトオルがプロム会場へ走りこんで来た。 タケシは人混みに揉まれながらユウの姿を探す。 会場フロアへ向かうエレベーターに乗り込むトオル。 タケシは会場内を見回すが、ユウの姿は見つからない。 ロッカールームに走りこみ一列ずつ丹念に調べる。 が、ユウではなく見知らぬカップルのキスシーンに遭遇してしまった。 どうやらここにもユウはいないようだ。 笑顔を浮かべてアタッシュケースの中身に見入るユウ。 タケシは男性用トイレのドアを開けた。 そこにもユウの姿は見つからない。 再び会場内に戻ると、携帯を取り出すタケシ。 ユウが電話に出るのを待ち、あたりを確認しながら歩く。 トオルは疲れきった表情でプロム会場に現われた。 入り口の近くにいたケイは、すぐにトオルの姿に気づく。 「トオル!」 通り過ぎようとするトオルに後ろから声をかけた。 「ごめん、ちょっとトラブっちゃって」 「大丈夫?」 心配そうなケイ。 「またしばらく消えなきゃいけなくなるかもしれない」 「え?」 ケイはトオルの突然の言葉が信じられない。 「どうしてだかわからないけど奴らが俺の居場所を突き止めて... もうあのアパートには戻れない」 「そんな...」 先を歩くトオルの背中をみつめて呆然とするケイ。 プロムクイーンの発表を待ちながら、ざわめく会場内。 レナは誰かを探しているようだ。 「それではお待たせいたしました。 2008年、明専学園大学国際学部、プロムクイーンとキングを発表! ...の、前に。このプロム開催にご尽力下さいました 笹山学部長からお言葉をいただきたいと思います」 司会者の紹介で拍手が起こった。 タケシは階段を駆け上がった。 と、どこからかタケシの携帯に呼応する着信音が聞こえてきた。 タケシはその方向を見定めると、通話を続けながらトイレのドアを叩く。 「おい!ユウ!ここにいるんだろ!ユウ!」 ドアを叩きながらユウを呼ぶタケシ。 「...何?」 トイレの個室から携帯を片手に出てきたユウを見て、愕然とするタケシ。 ユウはタキシード姿で現われたのだ。 真顔でタケシと対峙するユウ。 思いがけないユウの姿に顔をひきつらせるタケシ。 会場で行われている学部長の挨拶が響いていた。 「皆さんこんばんは。我が国際学部主催の一大イベント、プロムナイト。 昨年に引き続き、開催する運びとなりました...」 Tags: tokyo prom queen promqueen プロ厶の日 Part5 二度目の疑い プロムナイト 東京プロムクイーン Webドラマ shigekiii HJ ハジケル・ジャクソン |
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Tokyo Prom Queen——Episode62 「プロ厶の日 Part1」 さあ パーティをはじめよう 7月7日 7月7日 part1 ついにプロム当日の朝がやってきた。 いつからいたのだろうか、大教室にひとり佇むコウイチ。 指で小刻みに机を叩きながら、何事か考え込んでいる。 きらびやかなアクセサリーをテーブルいっぱいに並べ、 プロムの準備を始めたケイとレナ。 真剣な顔で鏡と向き合いながらメイクに余念がない。 一方ミッチーは、早々と決めていたお気に入りの赤いドレス姿で 鏡の前に佇んでいた。 メイクもアクセサリーもドレスも完璧なのに、何か足りない... 浮かない表情でソファに座り込むミッチー。 向かい合ってメイクしていたケイとレナは、顔を見合わせ満足そうに微笑んだ。 ミッチーは哀しい表情で目を伏せたままだ。 まだ傷あとの残る左手首をながめる。 そのとき、インターホンが鳴った。 部屋の前に佇むシンジ。 「お待たせ」 少しはにかみながら、可愛らしいドレス姿のマリが現われた。 微笑みあう2人。 アパートのドアを開けたトオルも盛装している。 レナはケイの着替えを手伝い、背中のジッパーを上げた。 レースやスパンコールで彩られた美しいドレスに身を包む二人。 スーツ姿でアパートのドアを開けたトオル。 階上からドカドカと足音を立て、いつかの男達が下りてきた。 間一髪で身を翻し、塀を乗り越え逃げるトオル。 二人組はトオルの部屋のドアを叩いた。 ミッチーの部屋のインターフォン・モニタに映っていたのはナオヤだった。 手に持った花束を差し出すと、少しおどけた感じに微笑む。 ナオヤのサプライズに、こみ上げる感情を微笑みに変えるミッチー。 すっかり支度の終わったケイとレナが姿見の前に立った。 光沢のある生地と胸元の黒いレースが大人っぽいケイ。 「いいじゃん」華やかなピンクドレスで並んだレナが鏡に向かって微笑む。 ナオヤはミッチーの左手をとった。 傷ついた手首を優しく包み込むように、バングルタイプのコサージュをつけてあげるナオヤ。 いくつものバラがあしらわれ、パールとシフォンで結ぶ美しいコサージュは ミッチーによく似合っていた。 ナオヤの顔をみてミッチーは微笑む。こんな笑顔は久しぶりな気がした。 ナオヤもミッチーを見つめ返した。 だが、ナオヤの完璧すぎる優しさは... トオルは裏通りから歩道橋を駆け上がり、二人組から逃げ続けていた。 Tags: tokyo prom queen promqueen プロ厶の日 Part1 さあ パーティをはじめよう プロムナイト 東京プロムクイーン Webドラマ shigekiii HJ ハジケル・ジャクソン |
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Tokyo Prom Queen——Episode72 「プロ厶の日 Part11」 牙をむいたゴースト 7月17日 7月7日 part11 レナの喉元にナイフを突き付けたコウイチと、ショウコとがステージ上で向き合っている。 息を呑む観衆。 涙を滲ませ、ぐったりした様子のレナ。 「いいからその子を...レナを放して!」 悲痛な声でコウイチに懇願するショウコ。 緊迫する会場内。トオルがケイに何事か囁いてステージの方へ向かった。 シンジもトオルの動きに敏感に反応して走り出す。 マリが心配そうに見送った。 狂気を孕んだ目つきでショウコを見据えるコウイチ。 「今宵、プロムクイーンは血まみれになるのさ」 「やめて!」 娘のレナが危険にさらされているというのに どうすることもできないショウコが叫ぶ。 ショウコの悲鳴に全く動じないコウイチ。 冷たい笑いを浮かべて、こう続けた。 「...それが、プロムゴーストの望みだから」 コウイチはレナの喉元に突き付けていたナイフを大きく振り上げた。 テレビクルーのカメラは必死で3人の姿を捉え続ける。 気味の悪い笑いと共にナイフを振り上げたコウイチ。 会場から大きな悲鳴が上がる。 と、後ろからナイフを持ったコウイチの手をとらえ、ねじ伏せようとするトオル。 シンジも続いてステージへ走りこむ。 コウイチはトオルの腕を思い切り振り払った。 はずみで刃先が当たってしまったのか、腕を押さえるトオル。 シンジはレナの身を守るため、急いでそばへ走り寄った。 レナを放してしまったコウイチは、今度はショウコの方へナイフを振り上げる。 「ハハハハハ!」不気味な笑いとともにショウコに狙いを定めるコウイチ。 大きな悲鳴が上がる。ミッシェルは、かつての恋人の狂気を悲痛な表情でみつめた。 マリ、ミッチー、タケシ、ユウも...事態をみつめることしかできない。 コウイチとショウコの姿がカメラのフレームから外れた。 焦るテレビクルー。 ステージ上の大きな動きに、パニックに陥る観衆。 テレビクルーは意を決してカメラを抱え、ステージ前へと走った。 パニック状態の観衆を捉えながら前へ進むカメラ。 気を失って倒れているナオヤの姿も映った。傍らにはキングの王冠が転がっている。 そして、まだ立ち上がれないレナと、レナを支えるシンジ。 腕を押さえて立ち尽くすトオル。 カメラはショウコの体に馬乗りになっているコウイチの姿を捉えた。 恐怖のあまり泣き叫ぶ観衆。 目に不気味な光を宿し、ショウコに刃物を突き立て続けるコウイチ。 我に返ったレナが叫ぶ。 「ママ!」 レナは支えていたシンジの手を振り払い、ショウコに駆け寄ろうとした。 コウイチはひとしきりショウコにナイフを突き立てると、 立ち上がって無表情にショウコから離れ、レナに向き直った... Tags: tokyo prom queen promqueen プロ厶の日 Part11 牙をむいたゴース プロムナイト 東京プロムクイーン Webドラマ shigekiii HJ ハジケル・ジャクソン |
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Tokyo Prom Queen——Episode71 「プロ厶の日 Part10」 22年目の対峙 7月16日 7月7日 part10 プロムクイーンのレナに送られている「レナ」コールと手拍子。 ステージの中央で喝采を浴びるプロムクイーンのレナとキングのナオヤ。 シンジとマリは観衆と共に笑顔で手拍子していた。 サキとタケシも、仲間内からキング&クイーンが誕生した喜びに微笑んでいる。 ミッシェル、ケイも手を叩いて祝福した。 が、プロムクイーンになれなかったミッチーだけは浮かない顔で俯いている。 傍らで得意のデジカメを構え、レナとナオヤの姿を写真に収めるユウ。 ミッチーは笑顔こそないものの、しばらくたってからようやく拍手に加わった。 ミッチーの表情をちらりと一瞥したナオヤは、 ステージの中央で笑顔を作りながらこっそりとレナに囁く。 「笑っちゃうよな」 「楽しめるでしょ?」 「まあね」 鼻で笑うナオヤ。レナも不敵に微笑んだ。 と、突然ナオヤが後ろから何者かに突き飛ばされ、倒れてしまう。 驚くレナ。考える間もなく、腕をとられナイフを突きつけられた。 会場から悲鳴が上がり、ショウコも目を見張った。 レナの喉元に突きつけられた鋭い刃先。 撮影していたテレビクルーは、突然の出来事に驚きながらもカメラをレナと 謎の人物に合わせた。 驚くタケシ。思わず口を押さえて悲鳴を上げるサキ。 ミッチー、ユウ、ミッシェルも目を見張る。 タケシ、マリ、ケイ、トオルも信じられないといった表情... 会場内はパニック状態になっていた。 レナの喉元にナイフを突き付けていたのは、コウイチだった。 レナが動けないようしっかりと片腕で抱え込み、 少しでも動けばその細い首に食い込むような位置にナイフを構えている。 どうすることもできない観衆たち。 「Humpty Dumpty sat on a wall...」 ハンプティダンプティを口ずさみ、レナにナイフを突き付けるコウイチ。 恐怖に震えているレナ。 コウイチはショウコの目を見ながらハンプティダンプティを歌い続けている。 ショウコはあまりの出来事にかえって冷静な表情になり、レナを抱え込むコウイチと 向き合った。一歩も動けない3人。 コウイチの狂気を孕んだ乾いた笑い声が響く。 「ハハハハハ!」 ショウコは思わず息を呑む。 「嬉しいか?22年前自分がなれなかったプロムクイーンに娘がなれて」 その目は焦点が合っていない。 涙を滲ませ恐怖に耐えるレナと、まだ表情を崩さないショウコ。 「俺はな、わかったんだよ。あの時...お前がメグミを殺したんだってな」 「何を言ってるの?」 「お前は、クイーンの座と男をとられて恨んでた。俺はずーっとそう思ってたよ」 「私じゃない!」 ショウコはコウイチの腕の中でぐったりし始めているレナを見て、コウイチに懇願した。 「多田君、お願いだから...」 「うるさい!」 コウイチが鋭く遮る。 ステージ上でコウイチに抱え込まれたレナ。2人と向き合うショウコ。 身動きのできない3人と、それを見守りながら恐怖のあまりどうすることもできない観衆。 Tags: tokyo prom queen promqueen プロ厶の日 Part10 22年目の対峙 プロムナイト 東京プロムクイーン Webドラマ shigekiii HJ ハジケル・ジャクソン |
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Tokyo Prom Queen——Episode68 「プロ厶の日 Part7」 プロムキングの栄冠 7月13日 7月7日 part7 プロムクイーンとキングの発表を前に、ドラムロールが鳴り響いていた。 緊張の中、ショウコの名前がアナウンスされる。 「林ショウコ教授、どうぞ!」 レナとナオヤ、タケシとサキ... 会場内のすべての学生たちが、高まる期待に胸を躍らせていた。 ショウコはステージの中央へ歩み寄ると、キングの名が記された紙の入った封筒を司会者に渡す。 「まずは、キングの発表です」 華やかなプロムクイーンの前に、キングの名が発表されようとしていた。 微笑むマリとタケシ。カップル達もそれぞれの思いを胸にステージをみつめた。 トオルとケイも、今は憂いを忘れ微笑み合う。 ドラムロールが終わった。 「国際学部、安住ナオヤくん!」 プロムキングはナオヤだった。一斉に大歓声が上がる。 ナオヤは満面の笑顔になり、タケシやユウとハイタッチするとステージへ走った。 拍手や口笛の中ステージへ向かうナオヤ。口々に祝福の声がかかる。 ミッチーも明るい表情で手を叩きながらナオヤを見送った。 歓喜に沸く会場の中で、レナだけは冷静にナオヤの姿を見つめた。 笑顔で手を叩くショウコ。 コウイチは相変わらず眉をひそめたままだ。 ステージに上がったナオヤを、ショウコが笑顔で迎えた。 「おめでとう」とキングのたすきを肩からかける。 プレゼンターの女性がナオヤに王冠を被せた。 たすきと王冠で、キングと言うよりはパーティの盛り上げ役のようなナオヤ。 仲間達に向かい、おどけてウインクした。両手を挙げて喜びを表す。 シンジとマリは笑顔で拍手している。 ショウコも笑顔でナオヤを見守った。 レナは相変わらず冷静な表情で、にこりともせず事の成り行きを見守っている。 コウイチも同じだった。会場内の喧騒も意に介さず、強張った表情で一点をみつめる。 「いよいよ2008年、明専学園大学プロムクイーンの発表です!」 いっそう沸きあがる会場。 微笑を浮かべるショウコ。 いよいよメインのプロムクイーンの発表だ。テレビカメラもズームアップしている。 一体プロムクイーンには誰が選ばれるのか? 誰もが期待に満ちた表情で発表の時を待った。 レナはまっすぐに前を見据えている。 ミッチーは祈るような表情だ。 屈託なく微笑むマリ。 目を輝かせるサキ。 落ち着いた微笑みを浮かべるケイ。 これまで微動だにしなかったコウイチが、僅かに眉を動かした。 そして期待に満ちた表情で発表を待つショウコ。 Tags: tokyo prom queen promqueen プロ厶の日 Part7 プロムキングの栄冠 プロムナイト 東京プロムクイーン Webドラマ shigekiii HJ ハジケル・ジャクソン |
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Tokyo Prom Queen——Episode69 「プロ厶の日 Part8」 プロムクィーンの足音 7月14日 7月7日 part8 ドラムロールが鳴り響く中、対照的な表情の2人がいた。 眉をひそめるコウイチと、穏やかな笑顔を浮かべるショウコ。 会場は大きな拍手に包まれ、ひたすらプロムクイーンの発表を待っていた。 コウイチが焦れるように指で机を叩く。 自信に満ちた笑みをたたえるステージ上のショウコ。 プロムキングのナオヤを中央に、ドラムロールが終わるのを待つ。 と... 突然会場に「ハンプティダンプティ」のメロディが流れ始めた。 《Humpty Dumpty sat on a wall...》 表情を曇らせるショウコ。 思わず立ち上がるコウイチ。 ショウコとコウイチ以外は皆笑顔だ。 まるで2人にしか聞こえていないような... あたりを見回し、不安げな表情の2人。 《...Couldn't put Humpty together again.》 白いドレスの裾が翻った。 「それでは、ショウコ教授お願いします」 司会者の声は、ショウコの耳に歪んだように響いた。 名前を呼ばれたことに気づいてはっと我に返るショウコ。 無理に笑顔を作ると、急いでプロムクイーン発表のための封筒を取り出した。 何事もなかったかのように取り繕い、司会者に封筒を渡す。 しかし、不安な表情は変わらない。 そして、胸騒ぎを隠せない様子でステージを見守るコウイチ。 「2008年、明専学園大学国際学部、栄光のプロムクイーンは!」 冷静な表情のレナ、そしてケイ。 祈りをこめて発表を待つミッチー。笑顔のマリとミッシェル。 期待に目を輝かせるサキ... いよいよ今宵のクライマックスだ。 封筒から紙が取り出され、プロムクイーンの名が発表された。 「...シンギョウジ メグミさん!」 司会者の声が響き渡る。 ショウコは思わず司会者を振り返った。 コウイチが目を見張る。 --2人の脳裏にフラッシュバックする血濡れの白いドレス-- 会場内から大きな歓声が上がった。 人垣で道をつくり、拍手でクイーンを迎える。 プロムクイーンの足音が響いた。 大きく目を見開き、信じられない表情のコウイチ。 プロムクイーンのやってくる方向を凝視するショウコ。 ハンプティダンプティのメロディが再び鳴り始めた。 白いドレスに白い靴、白い髪飾り... プロムクイーンにふさわしく、美しく装った女性。 皆笑顔でプロムクイーンの顔を見つめている。 プロムクイーンはその中央を、ステージに向かってゆっくりと歩いている。 Tags: tokyo prom queen promqueen プロ厶の日 Part8 プロムクィーンの足音 プロムナイト 東京プロムクイーン Webドラマ shigekiii HJ ハジケル・ジャクソン |
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Tokyo Prom Queen——Episode67 「プロ厶の日 Part6」 お前じゃなかったのか? 7月12日 7月7日 part6 いよいよプロムクイーンの発表直前とあって、期待にふくらむプロム会場。 しかし学部長の挨拶はまだ続いていた。 ステージに人が集まっているのでバーコーナーには人気が無い。 ユウとタケシが歩きながら話していた。 「やっぱりお前じゃないのか、プロムゴーストっていうのは」 険しい表情でユウを責めたてるタケシ。 「だから言ったじゃないか、俺じゃないって」 何度も聞かれてうんざりした様子のユウ。 二人はバーの座席に腰を下ろした。 「学部も違うからプロムには来ないって言ってただろ」 タケシは警戒した表情を崩さない。 「あ~...でも、レナが誘ってくれたんだよね」 はにかむような微笑を浮かべて携帯を指し示すユウ。 タケシは思いもかけなかった事実を告げられ面食らってしまう。 「タキシード貸してくれるから...って」 --銀色のアタッシュケースを開けるユウ。 そこにはレナから借りたタキシードが入っていたのだ。 鏡を見ながら身支度を整えるユウ-- 「そしたらなんだか、嬉しくなっちゃってさ」 ユウはタケシを上目遣いに伺った。 照れと喜びの入り混じった表情だ。 ユウの雰囲気に圧され一瞬言葉を失うタケシ。と、 「ちょっと!いつまで待たせんの」 レナが待ちくたびれた様子でユウの方へやってきた。 だが口で言うほど機嫌を損ねてはおらず、 悪戯っぽい微笑を浮かべている。 「あ、ああ...ごめん」 嬉しそうなユウ。レナも極上の笑顔を見せた。 傍らで呆然としているタケシに向かって、何?という顔をするレナ。 タケシは目の前の事実が信じられず、口を開けたまま放心状態だ。 「タケシ!はい、チーズ」 ユウはデジカメを取り出すと、からかうように笑いながらシャッターを切った。 反射的にピースサインを出してしまうタケシ。 液晶に映るタケシを確認してユウとレナが笑い合う。 「へ~んなの。いこ」 腕を取り合って仲良さげに会場へ向かった。 「ちょ、ちょっと待って...」 ようやく自分を取り戻すと、気の抜けたような表情で 2人の後を追いかけるタケシだった。 3人がプロム会場に入ると、ようやく長い挨拶が終わったところだった。 「学部長にもう一度盛大な拍手を!」 微笑みながら群集に加わるユウとレナ、そしてタケシ。 まだ少し強張った表情のトオルと、傍らのケイも拍手をしている。 マリとシンジ、ミッチーとナオヤのカップルもいた。 タケシは急いでサキのもとへ駆け寄る。微笑み合って腕を組むタケシとサキ。 ユウとナオヤも軽く挨拶を交わしあった。 ミッチーとナオヤ、レナとユウ、タケシとサキ... カップル達が横一線に並んだ。 「さあ、お待ちかね、プロムナイトのメインイベント。プロムキング&クイーンの発表です!」 その言葉に一際大きな拍手が起こり、歓声が上がった。 やっと微笑を見せるトオルとケイ。 タケシとサキも顔を見合わせて微笑んでいる。シンジとマリも... 皆笑顔だ。 ミッシェルも仲間達の近くで陽気に盛り上がっていた。 少し離れた場所のコウイチだけがこわばった表情で席に座っていた。 そんなコウイチに気づいていないのだろうか、 ミッシェルは笑顔でパートナーの男性に寄り添い、いっそう睦まじい様子を見せた。 ますます盛り上がるプロムナイト。 そして、ひとり抑えきれない嫉妬の感情に戦慄くコウイチ。 Tags: tokyo prom queen promqueen プロ厶の日 Part6 お前じゃなかったのか? プロムナイト 東京プロムクイーン Webドラマ shigekiii HJ ハジケル・ジャクソン |
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Tokyo Prom Queen——Episode70 「プロ厶の日 Part9」 22年目の真実 7月15日 7月7日 part9 プロムクイーンの足音が響き渡る。見守る観衆の笑顔。 ショウコとコウイチにとって、プロムクイーンがステージに向かって歩いてくる時間は 永遠にも感じられた。 呆然としているショウコとコウイチ。 「ハンプティダンプティ」のメロディと共に、徐々に近づいてくるプロムクイーン。 フラッシュバックする遠い日の白いドレスと血の記憶。 ショウコとコウイチは息を呑む。 ゆっくりと歩くプロムクイーン。観衆の拍手と声援は、もはや2人には聞こえていなかった。 ただプロムクイーンの姿だけをじっと見つめる。 落ち着きなく瞬きを繰り返すと、立っていられなくなったショウコがよろめく。 身動きもできず立ち尽くすコウイチ。 二人の脳裏に、血塗られた過去の悪夢が甦る。 --力なく倒れた血まみれの白いドレスの女性-- その時プロムクイーンがようやくステージに辿り着いた。 笑顔の司会者に迎えられながらゆっくりと階段を上る。 ショウコの目の前に立つプロムクイーン。 恐怖のあまり、プロムクイーンの姿を直視できないショウコ。 「お世話になりました」 プロムクイーンがショウコに話しかける。聞き覚えのある声がこだまする。 ショウコはやっとプロムクイーンの方を振り向いた。 そこにいたのは...レナだった。 「林先生」 プロムクイーンの栄光に輝き、満面の笑みを浮かべたレナ。 ショウコはその姿がまだ信じられず慄いていた。 レナは媚びるように少し首を傾げ、満ち足りた表情でショウコの顔を見ている。 「林レナさんにもう一度盛大な拍手を!」 司会者の声で、観衆の方へ向き直り拍手を受けるレナ。 ショウコはまだ動揺していた。 視線を泳がせ、慌てて司会者の方へ走り寄る。 クイーン発表の紙を司会者の手から奪い取ると、そこに書かれている名前を確認した。 『林レナ』確かにそう書いてある。 司会者はショウコに一礼するとクイーンの名が書かれた紙を丁寧にショウコの手から取り戻した。 だが、まだ不安を隠せないショウコ。 クイーンのたすきとティアラを笑顔で受け取るレナの方へ向き直った。 コウイチの表情も固まったまま...怖れ慄いている。 ティアラをつけたレナはクイーンの威厳に満ち溢れていた。 「レナ」の名を繰り返しコールしながら手拍子する場内。 キングのナオヤも手拍子しながらレナに並んだ。 2人は顔を見合わせると、余裕の表情で微笑む。 そう、今宵のプロムクイーン&キングはレナとナオヤだった。 ステージの中央に立ち存分に拍手を受ける二人。 現実を把握することが出来ず、戸惑うショウコ。 コウイチは銀色のアタッシュケースを手にゆっくりと歩き始めた。 クイーンとキングの誕生に沸き返る観衆たち。 アタッシュケースの蓋が開く。そして、あの鈍い光を放つナイフが取り出された... Tags: tokyo prom queen promqueen プロ厶の日 Part9 22年目の真実 プロムナイト 東京プロムクイーン Webドラマ shigekiii HJ ハジケル・ジャクソン |
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Tokyo Prom Queen——Episode64 「プロ厶の日 Part3」 運命の一夜が幕を開けた 7月9日 7月7日 part3 たくさんの花や色とりどりのバルーンで彩られたプロム会場で シャンパングラスを片手に、イベントが始まるまで思い思いに過ごす参加者たち。 テレビクルーがカメラをセッティングして会場内の様子を撮影し始めた。 ケイとレナが会場内を歩いている。 シャンパンゴールドの華やかなドレスに身を包んだケイと、可愛らしいピンクドレスのレナ。 トオルがいないことを気にしている様子のケイだが、 「大丈夫よ。遅れてやってくるから」レナは自信たっぷりに断言する。 いっそう人の増えた会場は、もうすぐ始まるプロムナイトに高まる期待でいっぱいになっていた。 ショウコの姿を見つけたケイとレナ。 ケイはショウコに軽く挨拶すると、会場の奥へと歩いていった。 「ママ」レナがショウコの腕を取る。 「どうしたの?遅かったじゃない」 ショウコがレナを責めた。 「ちょっと出るの遅くなっちゃった」 珍しく、子供っぽく言い訳するレナ。 「あたしの方はちゃんとやっといたから。あなたもわかってるわね」 ショウコがあらたまった口調でレナに告げる。 「大丈夫よママ。じゃなかった...『林先生』!」 レナは余裕の表情で、ジョークを言うほどご機嫌だ。 微笑みあうショウコとレナ。 そこへミッチーがやってきた。 「ミッチー!」レナが駆け寄る。 赤いドレスのミッチーの横にいるのはナオヤだ。 「よぉ、レナ」 思いがけない組合せでしれっと現われたナオヤに 「面白い取り合わせね」 と、レナも機嫌を悪くすることなく応じた。 「でしょ?」 得意気な笑顔のミッチー。 「あれ?パートナーは?」ミッチーの問いかけに、 レナは「まあね」と言葉を濁す。 コウイチが会場に現われた。 ユウの持っていたものとそっくりな、銀色のアタッシュケースを持っている。 コウイチはショウコの前で足を止めた。 「あら、来ないんじゃなかったの?」 コウイチの目を見ないで皮肉たっぷりに言うショウコ。 「別にそんなことは言ってないよ」 嘯くコウイチ。そのまま会場の奥へと歩いていった。 ショウコはその後ろ姿を一瞬見送るが、すぐに会場内に目を向ける。 ステージではシンジたちのライブが始まろうとしていた。 「プロムナイト、盛り上がっていこうぜ!」 シンジの言葉に歓声をあげて盛り上がる参加者たち。 シンジが選んだのは、ラストライブで演奏した最後の曲だった。 曲の始まりを合図に、いよいよ本格的なプロムナイトが幕を開けようとしていた。 Tags: tokyo prom queen promqueen プロ厶の日 Part3 運命の一夜が幕を開けた プロムナイト 東京プロムクイーン Webドラマ shigekiii HJ ハジケル・ジャクソン |
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Tokyo Prom Queen——Episode65 「プロ厶の日 Part4」 嫉妬の炎が導火線に近づく 7月10日 7月7日 part4 シンジたちのライブで最高潮に盛り上がるプロム会場。 だが、ひとり浮かない顔で手拍子にも加わらないミッチー。 傍らのナオヤが顔を覗き込むとようやく笑顔を見せるが、やはり伏し目がち。 シンジのステージを複雑な表情でみつめている。 一方ケイもステージに集中できず、トオルの姿を探していた。 ミッチーがシンジの視線の先を追うと、そこにはマリがいた。 手を叩きながらシンジのライブを楽しんでいるマリ。 ミッチーは、そんな無邪気なマリの姿に嫉妬の感情を抑えきれない。 対照的に、マリは屈託のない笑顔だ。 サキはステージ上のタケシを誇らしげな表情で見守っている。 ライブにそれほど興味の無さそうなレナは、 物憂げな表情で携帯を取り出した。 激しいライブパフォーマンスの中、こっそりとサキに目で合図を送るタケシ。 サキも嬉しそうに微笑んだ。 タケシも満足げだ。 と、ステージに背を向けどこかへ向かっているユウの姿が見えた。 ユウを目で追うタケシ。 レナは携帯を気にしつつ、何とはなしに視線を動かした。 観客達の間を逆流してどこかへ向かっているユウ。 ユウのことが気になるタケシだが、演奏中ではどうすることもできない。 笑顔でステージを見守るマリ。 ますます沈み込んでいるミッチー。その横で純粋にライブを楽しむナオヤ... そんな中、背の高い男性を伴ったミッシェルが現われた。 遠くから2人を見つけ、眉をひそめるコウイチ。 ミッシェルがステージを指差し、何事かパートナーの男性に囁きながら 楽しげに歩いている。 男性はごく自然にミッシェルの肩を抱き寄せていた。 コウイチはその姿を凝視しながら、激しい嫉妬に顔をこわばらせている。 ケイは携帯を手に聴衆の渦をすり抜けていた。 携帯にも出ないトオルを心配するケイ。 トオルは時折後ろを振り返りながら逃げ続けている。 拳を上げて盛り上がる観客達。 銀色の大きなアタッシュケースを開けるユウ。 歌い続けるシンジ。 身動きもせず一点を見据えるコウイチ。 それぞれの思いが交錯して... 演奏が終わると、大きな歓声が上がった。 ミッチーは再びマリの方を伺う。 ステージ上からマリに目配せするシンジ。 マリも嬉しそうに笑っていた。 二人のやりとりを目撃してしまったミッチーは、 悔しさの入り混じる表情で目を伏せた。 パーティ会場の歓声をよそに、アタッシュケースの中身を冷たい微笑で眺めるユウ。 Tags: tokyo prom queen promqueen プロ厶の日 Part4 嫉妬の炎が導火線に近づ プロムナイト 東京プロムクイーン Webドラマ shigekiii HJ ハジケル・ジャクソン |